投影の法則と呼ばれるもの《基礎的な記事③》

投影の法則と呼ばれるもの《基礎的な記事③》

集中と意志の力を使った正しい視覚化は、思考を、精神科医でのヴィジョンや夢としてだけでなく、
物質界での体験として実現させる。

パラマハンサ・ヨガナンダの言葉 「投影された宇宙」より

自分では自分が確認できないから、鏡が必要だった

投影の法則を理解するのに、最もシンプルな一言がこの見出しに尽きると思っています。

わたしたち人間が一番理解できないものは自分です。自分を生きている以上、自分の姿は鏡越しにしか見れません。

精神の世界もまた同じく、鏡となる存在がなければ、自分を認識することはできないのです。

この記事では、主に心理学一般で言われている投影の法則についての解説と共に、
実際に投影されているものは何なのか?それに迫っていきたいと思います。

影(かげ)を投げると書いて、投影

一般的に、投影の法則と言われれば「鏡の法則」という言葉や、「類は友を呼ぶ」という言葉、あるいは 「現実は思考をうつす鏡」という表現を聞くことがあるかもしれません。

・嫌な人は、嫌な自分を映している
・自分の思い込みが現実化している
・周りの環境が自分をあらわしている

などと言われることもありますが、その本質を理解するために欠かせない大切なことがあります。それは、

どうして投影するのか?

という点です。「何が」より「どうして」。「WHAT」より「WHY」のほうが大切です。

投影というのは何も理由なく、やみくもに何でもかんでも投影しているわけではありません。そこには明確な理由と意味があるのです。

では、投影する理由をピックアップしてみました。

自他でバランスをとるため
投影すること安心するため
自分の状態を知らせるため

主にこの三つが理由となります。ひとつずつ見ていくと、こうです。

自他でバランスをとる場合

例えば、あなたが無意識に「無邪気になること」を抑圧していたとしましょう。その抑圧には理由があり、

「無邪気さ」そのものに対して制御する目的があります。

そんな状態の時に、目の前に「無邪気な人」が現れるとしましょう。そうすると、無意識にその人に対して嫌悪感を抱きます。

この時相手に感じる嫌悪感は、

相手への嫌悪感ではなく、自分の中にある「無邪気さ」に対する嫌悪感です。

その嫌悪感を他者に投影することで、抑圧された「無邪気さ」に気づくことはなく、またそれに対する嫌悪感も自分のものとして感じません。

つまり、「排除したい無邪気さ」という要素を自分のものではなく他者のものとして投影することで、
「わたしはこういう人間である」という自意識のバランスを保とうとします。

これは一般的に、投影性同一視、ともよばれるもので、誰もがもつ一種の防御本能です。

自分だけでは抱えきれないもの、抑圧しておかなければ不安定になるもの、排除したいもの、などを他者や外側の世界に投影することで世界とのバランスと取ろうとします。

これは次に紹介する「精神を安心させるため」という理由にもにています。

投影することで精神を安心させる場合

人は、自分と同じ人を見たり出会ったりちかくにいてくれたりすると無条件に安心します。
投影することで精神を安心させる場合、というのは例えば

人のことを助けてあげたい、救ってあげたい、なんとかしてあげたい、と思えて仕方がない場合がありますが、
この時は相手に対して自分の中に「自分」を見て、その人を助けたり、救ったり、なんとかしてあげたりすることで

間接的に自分を助け、救い、なんとかしてあげようとする、というようなパターンです。

もちろん、他のパターンもありますが、この場合の多くは、相手の中に自分を見つけることで
密かな安心感を得て、自分自身に直接してあげられないことを相手を通して実行しようとしているのです。

表面的には良いことのように思えますが、これが度を越すと過保護のようになり、
共依存や愛着障害とつながる可能性があります。

しかしながら、そうすることで密かな安心感を得ているのも事実。そこに気づいて
投影によってではなく、自己愛によって自分とつながることができると問題はおきません。

自分の状態を知らせるための場合

これは他者だけではなく、さまざまな現象や問題、ピンチなどによってもお知らせが届くパターンです。

例えば、仕事で問題を抱えたとしましょう。あなたならどう捉えますか?

目の前の問題を「問題である」と認識しているのは、果たして今の自分でしょうか、過去の自分でしょうか。

こういった問いかけをすることで、「自分の中にある固定されたパターン」があることに気づくことができます。

つまり、現実に現れる問題とはそのほとんどが、「あなたの中にはこんな勘違いがありますよ」「あなたにはこんな思い込みがありますが、手放していいですよ」
というお知らせなのです。

また、無意識にがんばりすぎていたとしましょう。

そうすると、現実が「焦らせてくる」ような気がしたり、「他者」が焦らせてくるような気がしたりします。

しかし、実際に焦っているのは自分だったりします。自分のできる範囲内で頑張っているとき焦ることはありませんから、
そこにも何かしらの「ムリ・ムダ・ムラ」が投影されている、ということになります。

投影とは、自分を知り、自分の人生に生かすためのもの

このようにして、投影とは基本的に「自分のことを知る」ためのものとして活用していきます。自分の状態を確認したり、
自分の思いを確認するために使うものであり、また癒していくための非常に便利な仕組みでもあります。

投影するプログラムは誰の中にもありますが、それを生かすも殺すも自分次第。このブログではさまざまなケーススタディを紹介することで、
より自分自身と仲良くなっていくための方法をお伝えしていきます。

実は、引き寄せの法則にも活用出来る!?投影と引き寄せの法則の関係性

巷でよく聞くようになった引き寄せの法則。

非常にあやしい雰囲気が先行して、一般的にはなってきているもののまだオカルト的な要素を感じてしまう人も多くいるでしょう。

次の記事では、引き寄せの法則についての論理的な視点を紹介するとともに、この仕組みについて暴いていきたいと思います。

基本的な記事その④に続く。

 

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