潜在意識(せんざいいしき)と顕在意識(けんざいいしき)のふたつ!
きみがとっても小さな脳みそのくまで、
いろんな『こと』を考えたとする。
きみの中では、とっても『こと』らしく思えたことも、
外に出してほかの人に見せたら、ぜんぜんちがうものに見えるってこともあるのさ。A・A ミルン「くまのプーさん」
わたしたちが認識している「現実」というものは、まるで目の前にあるようでありません。
現実、とはわたしたちが脳内で体験する世界のことを言います。
ほとんどの人は、そうだと意識せずに日々を暮らすことでしょう。
全く知らなくても何も害はない。
そんな知識でもあるのです。
しかしながら、わたしたちの気づかないところで
実に様々なことが起きています。
食事をするときや、寝るとき。
仕事するときや、友人とお茶をするとき、何気なくボーッとしているときでも。
わたしたちはある普遍的なプログラムの元、生きています。
まずはじめに、大きく分けてふたつの領域にわけられる
わたしたちの意識構造を見ていきましょう。
わたしたちの意識は、大きく分けてふたつの分野にわかれます。
一つは①顕在意識、もう一つは②潜在意識です。
このふたつの領域は、それぞれの役割を担いながら
各々の仕事を分担して行っています。
簡単にこのようにまとめてみました。
顕在意識
あらわ(顕)になった意識のことです。この領域では主に気づいている意識のことを指します。
今、この記事を読んでいるあなたの顕在意識は、この記事の内容でいっぱいです。
潜在意識
あらわ(顕)になっていない意識のことです。この領域は気づけない分野の仕事を担っています。
この記事を読んでいる最中も、心臓の動きや、呼吸の動き
食べたものの消化や、血液の循環などは止まることなく働き続けています。
逆にこのような働きを意識的にコントロールするすることも、動かすこともできません。
心臓を止めろ!と言われても止められない。このような働きも潜在意識が担っています。
しかし、最も大切なのは、潜在意識とは情報の倉庫であるということ。
わたしたちは膨大な情報を持っておりますが、それを常々感じていたらおそらく混乱して死んでしまうでしょう。
だからこそ、潜在意識と顕在意識は役割分担をして
①知覚できる意識
②知覚できない意識
に分けているのです。
(情報の倉庫である、という話については基本的な記事その2の動画で解説しています。)
それぞれの役割と、その流れ
では、もう少し具体的に顕在意識と潜在意識の違いをみていきましょう。
まず大切なのは、そのふたつの意識が持つ容量の違い。
顕在意識の容量は5%未満。潜在意識の容量はその他95%以上だと言われています。
例えばあなたが、目の前の人にこう指示されたとしましょう。
Aさん『このペンを見て、ペン、ペン、ペン、といい続けてください』
あなたはペンを見ながら、ペンペンペンペンペン・・・・と何度も言います。
しかし、その後しばらくすると、言い続けながら他のことを考え出すでしょう。
「なんでこんなこと言わせるのかな?」
「どうしてこんなことをさせるのかな?」
「めんどくさくなってきたな」
「いつ終わればいいのかな」
「ていうか、おなかすいてきたな」
このとき、顕在意識の中に「ペン」でいっぱいになって他のことが考えられなかった状態から、
「ペン」と言い続けることを潜在意識がに担ってくれたため、他の意識があらわになってきます。
これを『潜在意識の自動化』と言いますが、一度に知覚できる意識(気づけること)は全体のわずか5%である、ということ。
ここ、非常に大切なのでよくチェックしておいてくださいね!
あなたの見ている世界は、どこにある?
冒頭で「あなたの現実は目の前にはない」と伝えましたが、それはどういうことでしょうか。
まずはこの図を見てみてください。
目の前で展開される世界というのは、普遍的な世界。
つまり、ただ起きている、ただの出来事です。いいも悪いもありません。正解は人の数だけあります。
しかし、目の前で起きた出来事や、言われたこと、見たこと、触れたもの・・・
それらを解釈するのは人それぞれ違いますよね。
誰もが泣く映画のシーンはありません。必ず泣かない人もいます。
誰もが笑うお笑い芸人もいません。必ず好き嫌いがあります。
ごく当たり前のことですが、わたしたちは同じ世界を共有しながら、それぞれ違う世界を同時に作り上げています。
すべての悩みや不安や未来・過去に対するイメージも全部が自分だけの世界(B)。つまり、捏造です。
では、捏造する流れをご覧いただきましょう。
わたしたちの中には、特別な辞書がある。
さて、次はこの図を見てみてください。
この図の流れを説明しましょう。
①出来事(A)による刺激を受け、五感から情報を入手します。見たこと、聞いたこと、触れたもの、などなどから。
②それらの情報を整理し、目の前で起きている出来事がどういうものであるのか?をリサーチします。
このとき、わたしたちは自分の中に既に用意された辞書のようなものを使います。
③最終的に、出来事(A)はどういう出来事なのか?判断します。悲しい出来事、楽しい出来事、バカにされた出来事、などなど。
出来事(A)が本当はどんな出来事なのかはわかりません。本人にとって特別な解釈をされた結果、わたしたちは知覚します。
バカ!と言われてけなされていると思うのか?愛情表現だと思うのか?は、その時々のシチュエーションやタイミング、
その相手との関係性やその時の気分などによって左右されてしまいますよね。
つまり、『バカと言われた』という出来事には何も意味はないのですが、言われた本人にとって「だけ」の特別な意味がつけられて、
そうやってわたしたちは自分の中に体験を作っていくのです。
体験という名の、捏造された現象
シンプルに言えば、わたしたちが「経験したこと」というものは、
一旦脳みそのなかで処理されてから、最終的に出された結論のようなもの。
リアルに体験したことに色付けをし、さらにそれに過去のデータや価値観、信念などを加えて
たくさんたくさん加工しています。
それは、 未来や過去に対しても同じ。
わたしたちは自分だけの辞書を使って色付けされた後の世界を見ているのです。
この事実を知らない、あるいは意識せずに過ごしていると
・どうしてあの人はあんなことを言うの!?
と腹を立ててはどうしたらいいかもわからず、
・わたしの人生、不安や問題だらけだわ
といらない心配をしたり、ずっと悩み続けたり、
・なぜ、あの人は・・・
と他者に対する嫉妬や恨みに苦しめられたりするのです。
潜在意識と顕在意識の仕組みをしっかりと理解し、どのようになってわたしたちが生きているのか。
それがわかればわかるほど、このような盲目的な状態(不安・恐れ・イライラ・嫉妬・無価値観・罪悪感)などに陥ります。
しっかりと基礎的なことを学ぶことで、世界を明瞭に見つめていきましょう。
潜在意識に対する知識は、あなたにとって
この世がもっと美しくはっきりと見えるメガネのようなものなのです。
《基本的な記事その②へつづく。》